#1 入手すべき情報

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確定申告をするためには、帳簿を記帳して決算を行い、申告書を作成する必要があります。記帳は会計ソフトを使えば、仕組みを理解していなくても問題なく行えます。ただし、記帳するためには、必ず入手しておかなければいけない情報があります。記帳を理解することは、その情報のもらい方を理解することともいえます。

記帳に最低限必要な情報

記帳に必要な情報は4つだけです。最低限この4つだけを押さえておけば、記帳を行うことができるため、領収証などをもらうときは、以下の情報が全て入っているか念のため確認してください。(コンビニなどの領収証(レシート)は、この4つの情報をすべて網羅しています)

 

取引の年月日

その年に発生したことが分かるよう取引の年月日が記帳のために必要です。領収証、受領書、検収書、完了証明書などを貰う際は、年月日が記載されていることを確認してください。

 

 

取引の金額

小売店で物を購入した場合などは、領収証に金額が記載されていないことはほとんどありませんが、例えば、契約や物納を優先し、金額の取り決めを行っていない場合などは、経費として認められない可能性があります。

 

 

相手方の名称

コンビニでものを買えば、領収証にコンビニ名が入ります。後日、誰との取引だったのかを検証できるようにするため、取引の相手方の名称を記録しておく必要があります。飲食店などの領収証には必ず店名、住所、電話番号が入るため、自分で相手方の名称等を記載する機会はほとんどありませんので心配は不要です。

 

 

取引の目的

飲食店などで取引先を接待した場合など、領収証にはお店の名前と金額は記載されますが、取引先の名称は記載されませんので余白に人数と取引先の名称をメモしておきましょう。物を買った場合は、商品名が領収証に記載されますので問題となりません。

 

 

 

簡易な記帳が認められています(事業所得者を例に)

簡易な記帳方法を、青色申告者の場合と白色申告者の場合それぞれ解説します。

 

青色申告の事業所得者の場合

現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳が標準的な5種類の簡易帳簿です。

 

①現金出納帳

取引を行った順番ごとに現金の出し入れを記載する帳簿です。現金取引の売上帳と仕入帳を兼ねます。

伝票、納品書控などを保存し、取引内容(品名、数量、単価等、以下同様です)が確認できれば、相手別に日々の合計金額のみを一括して記載すること ができます。

 

②売掛帳  

得意先ごとに勘定内訳を設けて、掛売りや回収の状況を記載する帳簿です。勘定内訳を作成して、家事消費や事業用消費を記載することもできます。

納品書控などを保存し、取引内容が確認できれば、得意先別にまとめて記載することもできます。

 

③買掛帳

仕入先ごとに勘定内訳を設けて、掛買いや支払の状況を記載する帳簿です。

納品書控などを保存し、取引内容が確認できれば、仕入先別にまとめて記載することもできます。

 

④経費帳

仕入以外の費用(租税公課、水道光熱費、旅費交通費、給料賃金な ど)の科目ごとに、勘定内訳を設けて記載する帳簿です。

原則、家事消費を除いて記載しますが、例外として、家事消費を除かずに記載し、年末に一括して差し引くこともできます。

 

⑤固定資産台帳

事業用の減価償却資産等を個々の資産ごとに勘定内訳を設けて記載し、減価償却費の計算元となる帳簿です。(減価償却方法は、事前に税務署への届け出が必要なため留意してください)

 

 

なお、青色申告者には条件を満たせば、現金主義による記帳も認められています

不動産所得及び事業所得の金額を、「現金主義」(収入と費用の計上時期を、現金の収受時期とする方法)によって計算し、青色申告をすることができます。この特例を選択するためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

 

・前々年分の事業所得及び不動産所得(青色事業専従者給与の控除前)の合計額が300万円以下

 

・青色申告を始めようとする年の3月15日ま でに、税務署に「所得税の青色申告承認申請書(兼)現金主義の所得計算による旨の届出書」を提出

 

 

白色申告の事業所得者の場合

ボリュームがあるため、内容は売上に絞って記載していますが、仕入れや経費についても、同様に簡易な記帳が認められています。

 

・小売店、飲食店などの現金売上は、一つ一つの取引ではなく、日々の合計金額のみを一括して記載すること ができます。

 

・納品書控や請求書控等を保存しており、その内容を確認できる取引については、一つ一つの取引ではなく、日々の合計金額のみを一括して記載することができます。

 

・納品書控・請求書控等を保存しており、掛売上の内容を確認できる取引については、日々の売上記帳を省略して、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載することができます(ただし、年末に売掛金の残高を記載する必要があります)。

 

・家事消費した棚卸資産ついて、年末に消費した種類別にその合計金額を見積もって、合計金額のみを一括記載することができます。