#2 確定申告は誰が?

#2 確定申告は誰が?

すべての人が確定申告をしなければならないわけではありません。

給与所得者(いわゆる会社員、サラリーマン)の方は、毎月の給料から所得税が源泉徴収され、年末調整を会社が行ってくれるので、事情(住宅ローン控除を受ける、他に所得がある等)がない限り、確定申告は不要です。

誰が確定申告をする必要があるの?

 

 

所得税の申告義務がある方

以下に当てはまる方は確定申告が必要です。

1.個人事業主を含め、10種類の所得合計が基礎控除(38万円)を超える方

2.住宅ローン控除等を受けて税金の還付をする方

3.上場株式等の譲渡損失と配当との損益通算を行う方、または、損失の繰り越しを行う方(翌年以後3年間繰越が可能です)

4.公的年金等の収入が400万円超の方(400万円以下でも、他の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です)

5.給与所得者のうち、以下に該当する方
・給与が年間2,000万円を超える方
・給与以外の所得が20万円を超える方
・2か所以上から給与をもらっている方
・同族会社から給与以外に利子や賃貸料をもらっている方

*同族会社とは?

株主の3人以下と株主と特殊の関係のある個人及び法人(配偶者や支配下にある会社)の議決権保有合計が50%超の会社(詳細は国税庁HPをご参照)

 

 

 

消費税等の申告義務がある方

以下に当てはまる方は確定申告が必要です。

 

1.2年前の課税売上高が1,000万円を超える事業主

2.2年前の課税売上高が1,000万円以下で、前年に「消費税課税事業者選択届出書」を提出している事業主

3.前年の前半(1月1日から6月30日)の課税売上高が1,000万円を超えている事業主

 

 

贈与税の申告義務がある方

以下に当てはまる方は確定申告が必要です。

 

1.110万円を超える財産の贈与を受けた方

2.財産の贈与を受けた方で、配偶者控除の特例を適用する方

3.財産の贈与を受けた方で、相続時精算課税を適用する方

4.財産の贈与を受けた方で、住宅取得等資金の非課税を適用する方

 

 

本人以外でも確定申告書の提出ができます

税理士に依頼する

確定申告は原則本人が行うか、代理人として税理士に依頼する必要があります。

 

有償・無償を問わず本人以外に確定申告書を作成することができるのは税理士だけです。税理士には税務相談、税務代理、税務書類作成の独占権限があたえられています。

 

そのため、税理士あるいは税理士法人以外に代理を依頼してしまうと、法律違反となるため、注意が必要です。

 

 

配偶者、親族に依頼する

確定申告書を本人が作成し、税務署へ届けるだけであれば、配偶者や親族でも問題ありません。これは税理士業務である税務代理にあたらないと考えられているためです。

 

また、配偶者の方が税務署にレシートや計算書などの必要書類を持ち込んで、確定申告書を作成することもよくあります。

 

原則は本人が確定申告書を作成する必要がありますが、配偶者が作成することは、本人の意思に基づいた委任であることが明らかであるため認められています。

 

 

電子申告する

税務署へ確定申告書を持ち込む以外にもe-Taxを用いた電子申告の方法があり、便利ですので参照してください。

 

 

税理士に頼むといくらするの?

多くの個人事業主や給与所得者は、自分で確定申告を行っています。税務署にいけば職員の方が丁寧に記載方法を教えてくれますし、地域の税理士会も無料で相談を受け付けているため、税務や会計ソフトの知識がなくても確定申告は問題なく行うことができます。

 

一方で、税理士に依頼される方もいます。事業所得に複雑な計算が発生する場合や、節税手法をよく知らない場合、プロにお金を払って頼んだほうが、結果として得をする場合もあります。

 

 

税理士のサービス内容

税理士と契約する場合、節税や記帳の指導をメインとする顧問報酬(毎月発生)と、決算申告料(年1回発生)に大別されます。

 

記帳は自分でやるので申告だけ依頼したい場合は年1回の決算申告料だけで済みます。一方で、毎月の記帳から相談が多い場合は顧問契約を結びます。

 

税理士報酬はサービス、年商、従業員数等に応じて変わります。以下の表は直近の税理士実態調査からの報酬統計です。

サービス内容1位2位3位
顧問報酬1万円以下
(35%)
3万円以下
(51%)
5万円以下
(10%)
決算申告料5万円以下
(50%)
10万円以下
(30%)
20万円以下
(15%)

決算申告だけを税理士に頼む場合、複雑でなければ、おおよそ5万円程度です。

 

毎月の記帳や節税相談をしたい場合、顧問契約はおおよそ年間12万円(1万円×12か月)です。

 

合計で17万円で一通りの税理士サービスを受けることができます。つまり、17万円以上のメリットがあれば、税理士に顧問と決算申告を依頼したほうが良いということになります。

 

 

事前確認を!

税理士に依頼するとき、料金については入念に確認する必要があります。

 

例えば、消費税を納める必要がある事業主の場合、別途決算申告料がかかる場合があります。また、給与計算を依頼した場合、年末調整をした場合、記帳の代行を依頼した場合、それぞれでオプション料金がかかる場合があります。

 

顧問業務と決算申告業務に、どこまでサービスが含まれているのか確認せずに契約してしまうと、思っていた以上に費用がかかることがありますので、留意する必要があります。