事業をしている方は、経費になる領収書をもらい記帳したら、必ず保管する必要があります。法律で保管が定められているためですが、どうやって整理して保管するのかといった具体的な方法は指定されていません。そこで、当ページでは、領収書の代表的な整理方法と保管方法をご紹介します。
領収書を集めよう!
記帳対象となる領収書の範囲
個人事業主が経費にできる支出は、事業に関連のある支出に限定されています。そのため、プライベートでお金を使って領収書をもらっても、事業の経費にすることはできません。集める領収書は事業に関連のあるものだけにして、プライベートでの領収書は含めないよう注意してください。
事業に関連のある支出について
事業に関連のある支出か否かは、個々の事業者によって違います。
例えば、プロ野球選手が仕事用のグローブを買うと経費として認められますが、プロ野球選手以外の方がグローブを買っても経費として認められません。
そのため、何が経費となる支出なのかを一概に記述することが難しく、領収書を集め記帳する人が考えなければなりません。
難しくきこえるかもしれませんが、自分の事業に少しでも関連していれば経費となりますので、判断に迷うものが出てきたら、インターネットや書籍で調べていけば、領収書は十分に1人で選別できます。
事業に関連があるのか迷いやすい支出
判断に迷いやすいものを具体的に見ていきましょう。
≪洋服や靴など≫
スーツや革靴を身に着けて仕事をする個人事業主の方も多いと思います。スーツと革靴がないと仕事にならない場合でも、原則これらは経費として認められません。
一般的に、スーツや革靴は私用としても使用することが可能なためプライベート用と事業用に明確に区別することができないためです。
例外的に事業にしか用いないと判断できるスーツや革靴、例えば、屋号がスーツに縫い取られていて私用ではないことが明らかにわかる場合などは経費とすることができます。
≪食事代など≫
お取引先と食事や打ち合わせでレストラン、喫茶店を利用することは多いと思います。お取引先や見込み客との食事代は問題なく経費とすることができます。
では、1人で食事をしたときや家族・友人と食事をしたときはどうでしょうか?
原則として、1人での食事や家族等との食事代は経費として認められません。
しかしながら、飲食業を営む個人事業主が他店を参考にするために、食事をするのであれば経費として認められる可能性が高いです。このような場合は、お店の外観、内観そして食事メニュー等を写真に収めてパソコンやスマホに保管しておけば証拠となります。訪問レポートを作成しておくとなお良いでしょう。
領収書の整理と保管方法
用紙に添付しよう!
領収書が集まったら、A4のコピー用紙に領収書を貼っていきます。日付順に添付していくと、後で検索しやすいのでおすすめです。
≪領収書の添付例≫にはポイントが2つあります。
point1
領収書一枚一枚に連番を振っていきます。領収書に記載する連番は、新しい用紙になったら①からまた番号を振ります。
point2
A4用紙の右下に連番を振っていきます。何月の用紙なのかをわかるように、7月-1、7月-2・・・、8月-1、8月-2、8月-3・・・と振ってもよいでしょう。
帳簿の摘要欄に記載する
上記①の領収書を帳簿に記帳するときに摘要欄に次のように記載しておきます。
摘要:1-① 〇〇〇〇(商品、サービス名)
このように記載しておくことで、帳簿の摘要欄から領収書にアクセスすることができます。
ファイリングして保管
領収書を添付した用紙は2穴ファイルで定められた期間(領収書は7年間)保管してください。保管せずに破棄してしまうと、税務調査があったときに、帳簿の経費を証明することができなくなってしまいます。